チロシンリン酸化酵素関連分子の遺伝子ターゲティング法によるがん化分子機構の解析
Project/Area Number |
08265259
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
八木 健 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (10241241)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | チロシンリン酸化酵素 / Fyn / ジーンターゲティング / RNA結合タンパク質 / Src |
Research Abstract |
チロシンリン酸化活性は細胞の増殖、分化に重要な情報伝達系であり、細胞のがん化との関連性も示唆されている。本研究ではチロシンリン酸化酵素のFynが実際に細胞のがん化の過程でどの様に機能しているかを解析する目的で、Fyn結合分子の単離・解析を行った。その結果、再現性よく強いlacZ遺伝子転写活性を示すクローンを5種類選別した。この5種類の遺伝子配列を決定したところ、Srcファミリーと結合することが報告されているhnRNPが得られており、我々の用いた酵母タンパク質相互作用検出系が実際に機能していることが明らかとなった。また、DNA結合タンパク質のヒトSON遺伝子と相同なクローン、マウスt-complexの不妊染色体領域に位置するtctex-1遺伝子が得られた。他の2種類(TH34,TH82)の遺伝子は現在報告されていない遺伝子であった。ノーザンブロット法によるmRNAのマウス組織分布を調べたところ、TH34は脳で発現が強いが他の組織についても弱い発現が認められるものであった。また、TH82は脳で比較的強い発現が認められるものの、心臓、筋肉においても発現が認められた。得られたTH82の全塩基配列を決定した結果、線虫で得られているfox-1遺伝子と最も相同性が高く、RNA結合タンパク質のファミリーに属する新たな分子であることが明らかとなった。本研究により、チロシンリン酸化酵素のFynの細胞内シグナル伝達分子として新たなRNA結合タンパク質TH82が単離された。チロシンリン酸化酵素の下流シグナル伝達分子としてのRNA結合タンパク質は、現在までのリン酸化シグナルカスケードとは異なったシグナルがRNAに直接作用する可能性を示唆するものとして興味深い。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)