血球分化に関与する転写因子群の解析とその造血細胞腫瘍診断への応用
Project/Area Number |
08266204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 典夫 東北大学, 医学部, 教授 (00004606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峰岸 直子 東北大学, 医学部, 助手 (40271895)
宗像 浩 東北大学, 医学部, 助教授 (90111294)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 転写因子 / GATA-2 / プロモーター / 造血細胞 |
Research Abstract |
転写因子GATA-2は造血幹細胞および各系列の前駆細胞で発現され、未分化血液細胞において重要な役割を果たしている。血球分化が開始されるとGATA-2の発現は抑制されてくる。従って、GATA-2遺伝子発現の調節は細胞が造血幹細胞や前駆細胞であるための機構と密接に関連している。血液細胞におけるこのようなGATA-2遺伝子発現の調節機構を解明するため、マウスGATA-2遺伝子の5'調節領域の解析を試み、以下のような成果を得た。1)マウスGATA-2遺伝子全体および5'隣接領域を含むクローンを単離し、GATA-2発現調節には2ヶ所のプロモータが働いていることを明らかにした。下流側のプロモータIbは既報のヒトおよびアフリカツメガエルのGATA-2プロモーターと相同のものであるが、上流側のプロモーターIaは本研究で新たに見出されたものである。2)プロモーターIaは造血系細胞および胎児脳におけるGATA-2発現を特異的に活性化する。特に、肝造血期のマウス胎児肝やIin^-Sca-1^+c-kit^+のマウス骨髄細胞ではIaエキソンのみが検出され、造血幹細胞や造血前駆細胞では主にIaプロモーターがつかわれていることが知られている。3)Iaプロモーター活性に関与するシス因子の同定およびその機能解析の結果、Iaプロモータの転写開始点(+1)の上流-79〜-61の領域が細胞系列特異的なIaプロモータ活性に関与することが知られた。DNase 1フットプリンディング実験により、GATA-2発現陽性のP815肥満細胞株の各抽出液ではこの領域に結合するタンパク質が見出された。GATA-2 mRNAをほとんど発現していないマウス赤白血病細胞の核抽出液では、そのような結合タンパク質が検出されなかった。さらに、ゲル移動度シフト法により、この領域に結合するいくつかの未知のタンパク質が検出され、これらのタンパク質間の複雑な相互作用の存在が、変異導入遺伝子による解析などから示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)