腫瘍内低酵素と血管新生増殖因子および血管新生阻害の関連の解明
Project/Area Number |
08266229
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西村 恭昌 京都大学, 医学研究科, 助教授 (00218207)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | 腫瘍内低酵素 / 血管新生増殖因子 / 血管新生阻害剤 / 再酵素化 / 温熱療法 |
Research Abstract |
放射線療法、温熱療法などの癌治療において問題となる腫瘍内低酵素と、血管新生増殖因子(VEGF)および血管新生阻害剤(TNP470)の関連を検討し、以下の点を明らかにした。 (1)温熱療法では腫瘍血管が選択的に破壊され、虚血性変化により腫瘍の懐死が引き起こされるが、その後の懐死巣に接する残存腫瘍に局在性のVEGFの発現を認めた。自然に中心懐死巣を生じるEMT‐6腫瘍の場合、無処置腫瘍にてもVEGFは中心懐死巣近傍の腫瘍部に発現していた。温熱による腫瘍血管の損傷が腫瘍内に低酵素をもたらし、その結果VEGFの誘導による血管新生、腫瘍再増殖をおこすという機序が示唆された。 (2)血管新生阻害剤(TNP‐470)を温熱に併用すると、血管新生は抑制されたが、やはり残存腫瘍にはVEGFの発現を認め、完全な血管新生阻害は得られなかった。温熱感受性を制御するために、温熱後の虚血性変化によるVEGF発現が標的になりうると考えられた。 (3)血管新生阻害剤を分割照射と併用する場合、血管新生阻害剤が分割照射中の再酵素化現象を阻害し、むしろ照射効果を減弱させた。これまで再酵素化現象の要因として、血管新生はあげられていなかったが、再酵素化現象における血管新生の果たす役割が大きいことが本研究により明らかにされた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)