Project/Area Number |
08266230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
阪原 晴海 京都大学, 医学研究科, 講師 (10187031)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | 癌性腹膜炎 / 癌性胸膜炎 / 内照射療法 / モノクローナル抗体 / アビジン / ビオチン |
Research Abstract |
癌性腹膜炎、癌性胸膜炎に対しては現在、有効な治療法がない。本研究は癌細胞にのみ特異的に集積する放射性同位元素(RI)標識化合物を用いて播種性癌病巣に対する選択的な内照射療法を開発することを目的とする。RI標識抗体を用いるミサイル療法の欠点の一つは抗体の血中からの消失が遅く、正常組織の被曝が少なくないことである。これは腹腔内の播種性病巣に対し標識抗体を腹腔内に投与した場合も同様である。一方、抗体の持つ高い特異性を利用しつつ、血中消失の速いRI標識体を用いることにより正常組織の被曝を軽減させるプレターゲティング法と呼ばれる手法が経静脈投与において開発されている。そこで癌性腹膜炎モデルに対し本法を応用し、放射能の腫瘍集積性に関してその有効性を検討した。 アビジンとビオチンは非常に高い親和性で特異的に結合する。ビオチンは子分子なので血中での消失も癌組織への移行も速く、あらかじめ腫瘍に集積させておいたアビジンを標的分子としたRI標識体として利用される。ヒト大腸癌の播種性腫瘍をマウスの腹腔内に作成し、この腫瘍と特異的に反応するモノクローナル抗体にアビジンを結合させたアビジン結合抗体を腹腔内投与によりプレターゲティングした後に、In‐111標識ビオチンを腹腔内投与した。この2段階により、従来のRI標識抗体を用いる方法に比較して、放射能の腫瘍への高い集積を維持しながら正常組織の放射能を格段に低く抑えることができ、その結果RI標識体の投与後、短時間ですぐれた放射能の腫瘍選択性が実現された。またアビジンのみを腹腔内投与した後にIn‐111標識ビオチンを投与しても放射能の腫瘍への集積は高かった。これらの結果はアビジン・ビオチンを用いるプレターゲティング法が癌性腹膜炎、癌性胸膜炎の画像診断、内照射療法に応用しうることを示すとともに、アビジン自体が新しい腫瘍親和性物質である可能性を示唆する。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)