ADPリボシル化因子(ARF)の阻害による癌細胞増殖抑制の試み
Project/Area Number |
08266256
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
照井 健 札幌医科大学, 医学部, 助手 (50281233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂牧 純夫 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00196081)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | ADPリボシル化因子(ARF) / ホスフォリパーゼD / 細胞増殖 / 癌細胞 / ホスファチジン酸 / ホスファチジルコリン / 印環細胞癌 / Breferudin A |
Research Abstract |
癌細胞の増殖におけるADPリボシル化因子(ARF)-ホスフォリパーゼD(PLD)シグナルの意義を明らかにするために以下の検討を行った。1.細胞内ARFの発現:腫瘍細胞におけるARFの発現は、一次抗体として抗ARFモノクロナル抗体(Dr.R.A.Kahn Emory Univ.GA.USAより供与)を用いてウエスタンブロット法で検討した。ヒト腫瘍由来細胞株10種では発現量に差はあるものの全ての細胞にARFタンパクの発現を認めた。胃癌細胞由来細胞株の中で印環細胞癌および腺癌由来細胞の一部にARF発現の低下しているものがあった。2.PLD活性の測定:PLD活性の測定は、Brown et al.(Cell,75,1137-1144,1993)の方法に準じた。すなわち、細胞膜分画単独あるいは細胞膜、細胞質を可溶化しホスファチジルエタノールアミン(PE),4,5ホスファチジルビスホスフェート(PIP2)、ホスファチジルコリン(PC),の混合ミセル中で[3H]PCを基質として測定した。ミリスチン化リコンビナントARF1タンパクを調整し、PLD活性に及ぼす影響を検討した。HL60細胞におけるPLD活性を細胞膜に認め、同活性はSuMのARFおよび30uMのGTPγSの添加により約5倍に促進された。胃癌細胞株OCUM-1のPLD活性もまた、細胞膜のみでは活性が低かったが、5uM ARFおよび30uM GTPγSの添加により約2.5倍に刺激された。3.細胞増殖速度とPLD活性:HL60細胞をserum starvationにより増殖速度を変化させ、PLD活性を測定したところ、低濃度血清で培養した細胞のPLD活性は通常の血清濃度で培養した細胞の約70%に低下した。以上より癌細胞にはARF-PLDシグナルが存在し細胞増殖に関与している可能性が考えられた。 今後ARF-PLDシグナルの阻害により細胞の増殖に与える影響を検討する予定である。この目的のためにARFの活性化を抑制するBrefeldin A処理および点変異arf遺伝子の導入が有力な手段と考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)