MAPキナーゼカスケードを構成するシグナル分子を標的とした細胞増殖阻害物質の検索
Project/Area Number |
08266258
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
河野 通明 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (00027335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 謙一郎 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (40025713)
片岡 貞 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (00082975)
大高 章 京都大学, 薬学部, 助教授 (20201973)
佐藤 仁彦 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (00240945)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 細胞がん化 / ヒトがん細胞 / MAPキナーゼ / MAPキナーゼ・キナーゼ / Ras / 阻害剤 / フラボン |
Research Abstract |
1.種々のヒトがん細胞株(134例)の対数増殖期における41-kDa/43-kDa MAPキナーゼの活性レベルを測定したところ、様々な組織由来のがん細胞株に於て、ヒト二倍体繊維芽細胞と比較して高いレベルのMAPキナーゼ活性を認めたが、特に腎臓、脾臓、大腸、肺、卵巣、さらに造血器系より由来した細胞株において高頻度(〜50%)に、MAPキナーゼの恒常的活性化が起こっていることを見い出した。一方、食道、胃、肝臓、前立腺より由来したがん細胞株では、顕著にMAPキナーゼ活性が上昇している例はほとんど認められなかった。また、手術で摘出した腫瘍組織においても、上述の細胞株の場合と同様、腎臓、大腸、肺より由来したがん組織では、それぞれ36例中23例、34例中17例、34例中24例と、高頻度にMAPキナーゼが恒常的に活性化されている例を見い出したが、一方、肝臓がん(10例)ではMAPキナーゼが顕著に活性化されている例は認められなかった。 2. MAPキナーゼの恒常的活性化が認められたがん細胞においては、MAPキナーゼ・カスケードにおいてMAPキナーゼの下流に位置するp90^<rsk>の恒常的活性化が常に起こっていること、さらにその大部分(90%以上)の細胞株においては同時にMEKの恒常的活性化も起こっていることを見い出した。また、ras遺伝子変異とMAPキナーゼの恒常的活性化に関してもある程度の相関が認められたが、一方、ここでは例外(4/10)も多かった 3. MAPキナーゼ・キナーゼ(MEK)に対する特異的阻害剤として報告されたフラボンの一種、2-(2-amino-3-methoxyphenyl) chromone (AMPC)を化学合成し、これをMAPキナーゼが恒常的に活性化しているがん細胞に添加したところ、AMPCの濃度に依存して各細胞の形態に大きな変化が認められ、さらにそれらの増殖も50mM以上のAMPCによって完全に阻害された。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)