イオン駆動型トランスポーターの構造と機能に関する比較研究
Project/Area Number |
08268250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
三木 俊明 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 医化学研究部門, 研究員 (10239204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川喜田 正夫 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 医化学研究部門, 研究員 (00012740)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 糖ヌクレオチド / ポリアミン / Na / Hアンチポーター / 輸送体 / cDNA / 培養細胞 / ペプチド抗体 |
Research Abstract |
ポリアミン輸送体、UDP-ガラクトース輸送体、Na^+/H^+アンチポーターについて次の研究成果を得た。 1.UDP-ガラクトース輸送体(UGT)のクローニングと解析:マウスFM3A細胞の変異株Had-1細胞は、UGTを欠損する。我々は、この欠損の相補を指標として、alternative splicingによる生じた2種類の異なるUGTのcDNAを単離することに成功した。その結果、UGT2には396アミノ酸残基のORFが存在するが388番目のLysまでの配列はUGT1,UGT2に共通であり、C末端部分の数残基および3'UTR部分の配列のみが両者で異なることが明らかになった。UGTcDNAの発現実験を行ったところ、UGT1,2をHad-2細胞に導入して得られたtransformantはいずれも、Had-1のUGT欠損が相補されていることが示された。UGT1,2のそれぞれに特異的なペプチド抗体を用いた解析から、Had-1細胞中にはUGT産物が検出されないこと、Had-1/UGT1細胞中にはUGT1産物、Had-1/UGT2細胞中にはUGT2産物がそれぞれ発現していること、親株FM3A細胞中には抗UGT2抗体と交叉反応を示すタンパク質が存在することがそれぞれ明らかになった。以上の結果に基づいて我々は、8回膜貫通型の推定構造をもつUGT1,UGT2はUDP-ガラクトース輸送体の本体であると結論した。 2.ポリアミン輸送系の検討:メンブランフィルター上で培養し、側底膜と頂端膜に分化した単層シートを形成させた腎尿細管由来のLLC-PK_1細胞を用いて、ポリアミンの輸送系について検討を行った。遊離ポリアミンの取り込みに関して、この細胞は側底膜側にも1種類、頂端膜側には高親和性および低親和性の2種類のポリアミン輸送系にもつことが明らかになった。ポリアミンの取り込みに関する競合実験の結果は、これらの輸送体がいずれもポリアミンのうちプトレシン(Put),スペルミジン(Spd),スペルミン(Spm)を輸送する能力を持つことを示している。現在までのところこの細胞には、特定のポリアミン骨格に特異的な輸送体は見出されていない。原尿中のポリアミンの再吸収に関与すると考えられる頂端膜側のポリアミン輸送系の性質についてさらに検討した結果、モノアセチルスペルミンがSpdの取り込みと競合しつつ,Spd輸送系を経由して実際に細胞内に取り込まれることが示された。これに対してジアセチルスペルミンはSpdの取り込みと競合しないだけでなく、頂端膜側からは全く細胞内に取り込まれないことが明らかになった。 3.Na^+/H^+アンチポーター(NHE):ウシ腎臓の上皮組織におけるNHEの局在性について、NHE1,NHE3isoformに対するペプチド抗体を用いて検討したところ、NHE1は側底膜に、NHE3は刷子縁膜に局在することが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)