内向き整流特性カリウムチャネルの神経伝達調節と可塑性における役割
Project/Area Number |
08270222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
倉智 嘉久 大阪大学, 医学部, 教授 (30142011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内匠 透 大阪大学, 医学部, 助手 (00222092)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | カリウムチャネル / 中枢神経 / クローニング / ノックアウト / グリア / cAMP / cGMP |
Research Abstract |
内向き整流カリウムチャネルスーパーファミリーの中枢神経系における分子機能解析を目的としてIRK1,IRK2,IRK3についてin situ hybridizationによって脳内の詳細な分布を調べそれぞれが特徴ある発現様式を持っていることを明らかとした。また、脳の内向き整流カリウムチャネルの調節機構を調べるため、脳mRNAをツメガエル卵母細胞に発現させてパッチクランプ法により解析した。脳の内向き整流カリウムチャネルはcAMP,cGMPによって抑制されることが明かとなった。この機構によってNOを含む各種のニューロトランスミッターが脳の内向き整流カリウムチャネル活性を抑制して、膜電位を上昇させ細胞の興奮性を上げることに働くと考えられ、新たな神経細胞興奮性の調節機構と考えられる。また、免疫組織化学的手法によりGIRK1はプレシナプスに存在することを明らかとした。このプレシナプスにおけるGIRK1の存在はこれまで全く考えられておらず、脳におけるG蛋白質制御カリウムチャネルの機能が単純なシナプス後抑制では無いことを示唆するものである。ATP依存性カリウムチャネルのK_<AB>-2の分布については既にグリア細胞にその発現がみられることを明らかとしていたが、網膜のグリア細胞であるMuller細胞にクラスター状に発現していること、Muller細胞では恐らくSAP97がこのチャネルの集積に関与していること、また、HEK細胞にSAP97を共発現させるとSAP97がK_<AB>-2に結合すること、SAP97がK_<AB>-2の膜上での発現を増加させることを明らかとした。ゲノム遺伝子のクローニングについても既にIRK3 geneを単離していたがさらにK_<AB>-2、GIRK1 geneを単離した。IRK3についてはIRK3を不活性化した遺伝子と相同組み替えをおこしたES細胞の作成に成功した。また、脳cDNAのスクリーニングによって新たな膜2回貫通型カリウムチャネルサブユニットGIRK2B,GIRK1B,uKATP,BIRをクローン化した。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)