神経可塑性に関与するニューロトロフィン遺伝子のホスホリパーゼA2による制御
Project/Area Number |
08270229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中村 彰治 山口大学, 医学部, 教授 (80112051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 康弘 山口大学, 医学部, 助手 (70274157)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | フォスフォリパーゼA2 / アラキドン酸 / 神経栄養因子 / 神経可塑性 / メパクリン / 分化・発達 / ニューロトロフィン / 大脳皮質 |
Research Abstract |
私たちは、抗うつ薬による神経線維の再生の分子機構にフォスフォリパーゼA2(PLA2)系が関与している可能性を示唆した。このような研究結果から、神経線維の発芽・再生を誘発すると考えられるニューロトロフィン遺伝子の発現機序にPLA2系が関与している可能性を推測し、現在実験を行っている。今回は、まずニューロトロフィン遺伝子の発現を検討する前に、・brain-derived neurotrophic factor(BDNF)の発現に対すPLA2の効果をBDNFの抗体を用いて免疫組織化学的に検討した。生後1日目のラットの大脳皮質を用いて通常の方法でprimary cultureを作製した。PLA2のinhibitorであるmepacrineを10^<-4>Mから10^<-14>Mまでの濃度で加えた実験群と対照群において、培養細胞の生存・分化とBDNFの発現について比較した。Mepacrine10^<-4>〜10^<-6>Mでは、培養細胞は生存できなかった。10^<-8>Mから10^<-10>Mでは、mepacrineは濃度依存性に培養細胞の突起の伸展を抑制した。一方、BDNFの発現は、mepacrine10^<-8>〜10^<-10>Mで濃度依存性に抑制された。この実験結果から、ニューロトロフィンの発現にPLA2系が関与している可能性が強く示唆されたので、現在以下の点についin situ hybridizationとNorthern blotを用いて検討中である。1)培養細胞とin vivoの系において、BDNFとneurotrophin3(NT-3)の遺伝子発現が、PLA2のinhibitorで阻害されるか。2)これらニューロトロフィンmRNAの発現に関与しているのは、アラキドン酸カスケードのどの系か。3)melittinによってBDNFとNT-3のmRNAの発現が促進されるか。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)