Project/Area Number |
08271210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
立花 政夫 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (60132734)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 網膜 / 光順応 / シナプス / 受容野 / エクソサイトーシス / 可塑性 |
Research Abstract |
網膜においては光順応に伴い、視細胞の感度低下や桿体から錐体への切り替えのみならず、神経回路網に可塑的な変化が生じ、受容野特性が調節される。本研究においては、神経節細胞の受容野における時空間特性をマルチ電極法を利用して解析する方法や細胞形態の変化を微小膜容量変化として捉える方法を開発した。ICチップの微細加工技術を利用して作成した64極のマルチ電極上にカエルの剥離網膜標本を置き、コンピュータで生成したランダムピクセル刺激を網膜に提示した。この光刺激によって発生した神経節細胞群の光応答を逆相関法を使って解析した結果、平均輝度が低下するにつれて持続的にスパイクを発射するディミング検出細胞では、暗順応状態から明順応状態になると、時間分解能が高まると共に高いコントラストを検出するように受容野の時間特性が変化することが明らかになった。また、同一網膜に含まれるディミング検出細胞間の相互相関を解析したところ、これらの神経節細胞はスパイクを発生し且つ広い空間受容野を持つ神経細胞(おそらくアマクリン細胞)から共通入力を受け取っていること、また、周期性を持って発火することが判明した。網膜から単離した双極細胞を使ってエクソサイトーシスに伴う微小膜容量変化を測定した結果、即時放出可能なシナプス小胞群と動員されて放出可能になるシナプス小胞群の存在が強く示唆された。神経終末部に導入したCa緩衝物質の作用から、前者はCaチャネルのごく近傍に存在し、後者はやや離れて存在すると思われる。このような伝達物質放出機構が順応に伴いそれぞれどのように制御されるかについて引き続き解析中である。
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