概日リズムの位相変位関連遺伝子の視交叉上核における発現
Project/Area Number |
08271224
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岡村 均 神戸大学, 医学部, 教授 (60158813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 悦子 神戸大学, 医学部, 助手 (00107947)
重吉 康史 神戸大学, 医学部, 助手 (20275192)
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Project Period (FY) |
1996 – 1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | Differential mRNA display法 / VIP / 時間特異的発現遺伝子 / 光誘発関連遺伝子 / リズム発現 |
Research Abstract |
明暗(LD)条件下明期にて、視交叉上核に特異的に発現し、他の脳部位で発現しない遺伝子をDifferential mRNA display法にて検索した。そのうちの一つY01は新しいcDNAであって、cDNA in situ hybridizationにて、視交叉上核に強いシグナルを発現していた。また同手法を用いて、新規に、時間特異的発現遺伝子、光誘発関連遺伝子も数個同定した。最近、我々は、脳内アミンによりペプチド性脳内伝達物資が変化し、行動変化を来すことを報告した。また、ペプチド作動性細胞が、新しいタイプの細胞間物質でリズム位相変位物質でもある一酸化窒素(NO)産生能を有し、また発現させることを明らかにした。従って、アミンやNOの枯渇時の視交叉上核における遺伝子の発現も、Differential mRNA display法にて検討中である。 また、成熟ラットにおいては、視交叉上核におけるVIPは、光刺激依存遺伝子として知られる。そこで、ラットVIP遺伝子の発生と遺伝子発現のリズム様式の変動の相関を検索した。VIP遺伝子は胎生末期に発現し、明瞭な昼高く夜低い内因性リズムは生後10日より認められた。このリズムは視交叉上核への入力線維が急増する生後20日以降、新しくVIP遺伝子を発現するニューロンの出現とともに、光従属性リズムへ変動した。これは、光刺激入力が新しい遺伝子のフェノタイプを誘導し、リズムを制御するという初めての報告である。このVIP遺伝子のリズム変移現象は、概日リズムの光周期への同調の形成機構の物質的探究の手がかりとして、現在探究中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)