発生過程における神経回路網形成に関与する機能分子の樹立神経幹細胞株を用いた解析
Project/Area Number |
08271225
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
中福 雅人 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (80202216)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 神経発生 / 幹細胞 / ニューロン / 転写因子 / ホメオボックス遺伝子 |
Research Abstract |
脳における選択的な神経回路網形成は、発生期における神経細胞の領域特異的な形態的・機能的分化をその基礎とする。最近になってこの過程に関与する分子の候補として、脳の特定の領域に限局した発現パターンを有する領域特異的遺伝子が多数同定されてきた。本研究は、発達過程における神経回路網形成の分子機構を領域特異的遺伝子の解析を通じて明らかにすることを目的とした。未分化神経上皮組織に存在する神経幹細胞における領域特異的遺伝子群の発現制御機構を明らかにするため、試験管内解析系を確立した。その結果、生体脳において見られるこれら遺伝子の特異的発現は、細胞を試験管内で培養した際にも維持されることが明らかになった。また、神経系の背腹軸の決定に必須の機能を果たすシグナル分子であるSonic Hedgehogの存在下に神経幹細胞を培養すると、腹側領域に特異的なIslet-1,Nkx-2.1,Nkx-2.2遺伝子が、個々の細胞ごとに異なるパターンで発現誘導された。以上の結果より、脳の領域特異性を制御する遺伝子群の発現は、分化したニューロン・グリアの出現以前に、その前駆細胞である神経幹細胞のレベルで極めて厳密に制御されており、この制御機構は発生期における脳の複雑な形態形成の遺伝的制御の基盤をなしているものと考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)