ショウジョウバエを用いた特異的神経認識の分子遺伝学
Project/Area Number |
08271240
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
能瀬 聡直 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (30260037)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 神経-筋結合 / 神経認識 / connectin / 筋肉 / LRR / Capricious / 細胞接着分子 / 運動神経 |
Research Abstract |
我々は比較的構成が単純で、遺伝学的アプローチが可能なショウジョウバエ神経-筋結合をモデル系として、神経特異認識に関与する分子の同定、機能解析を行っている。本研究においては、昨年度計画において同定した新たな神経認識候補分子Capricious(P750より改名)の発現と機能の解析を行った。 (1)神経-筋結合過程におけるCapriciousの発現様式 Capriciousはエンハンサートラップ株P750においてP因子挿入部位近傍に存在する遺伝子として同定されたleucine-rich repeat familyに属する膜貫通型蛋白質である。RNA in situ hybridization法および、P750株におけるレポーター遺伝子(Capriciousの発現を忠実に反映する)に対する免疫組織化学法によりCapriciousの発現を調べた結果、この分子は背側、腹側の一部の筋肉および中枢神経系内の少数の神経細胞において発現することが分かった。特にRP5運動ニューロンとその標的筋肉12等、神経-筋結合の特定のパートナーで発現がみられることから、標的認識との関連が示唆された。 (2)Capriciousの機能解析 imprecise excision法を用い機能欠損体を単離し、運動神経の投射、シナプス形成の過程を調べたところ、特定の筋肉におけるシナプス形成に異常が見られた。特にプレ、ポスト双方で通常Capriciousが発現している筋肉12におけるシナプス形成過程において、神経末端がこの筋肉に限局されず、近傍の筋肉へ進展しているような形態が高頻度で観察された。このことから、P750はホモフィリックな作用を通じ、標的筋肉認識あるいは特定のシナプスの安定化等に関与している可能性が強く示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)