哺乳類小脳をモデル系とした神経回路網形成の分子機構の解明
Project/Area Number |
08271242
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
有賀 純 理化学研究所, 分子神経生物学研究室, 研究員 (10232076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新延 道夫 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (80135748)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 神経発生 / 小脳 / 神経上皮 / 形態形成 / 遺伝子タ-デティング / 神経堤 / Zic / 行動異常 |
Research Abstract |
神経系のパターン形成の分子機構を明らかにするために小脳顆粒細胞に限局して発現するZnフィンガー型転写因子Zicの解析を行った。マウスZicファミリーの発現開始は非常に早く、原条期胚の外胚葉、中胚葉の一部分に発現が確認され、神経上皮の形成に伴って、その発現は背側の神経上皮に限局するようになり、器官形成期には、中枢神経系の背側ほぼ全般、硬節、皮節等の体節由来組織に発現が認められる。 まず、マウスZicファミリーの小脳発生における役割を明らかにするために、小脳で最も発現量の多いZic1の遺伝子ターゲッティングを行った。変異遺伝子のホモ接合体では、中枢神経系の形成異常による高度の運動失調が起こることが明らかになった。中枢神経系では特に小脳の低形成、小葉パターンの異常が認められた。細胞生物学的な解析から、ノックアウトマウスの小脳では、顆粒細胞の細胞増殖能に異常があることがわかった。更にシナプスの形成の異常の有無を検討している。 更に神経発生の初期のパターン形成におけるZic遺伝子の役割を明らかにするために、アフリカツメガエルを実験系として選び、アフリカツメガエルZicホモログ(Xzic3)を単離した。Xzic3は発生過程で原腸胚の予定神経板領域の外胚葉に最初の発現が認められ、発現の開始はほとんどすべてのプロニューラル遺伝子の発現開始に先だっていた。さらに、神経上皮形成に抑制的な作用を持つBMP4シグナルの遮断により、発現が誘導された。次に、Xzic3をmRNAの注入により過剰発現させたところ、神経組織、ならびに神経堤由来組織の過形成が認められた。また、Xzic3を過剰発現させた動物極組織片を培養して、分化マーカーの発現を検討したところ、神経系ならびに、神経堤の分化マーカーが誘導された。Xzic3は外胚葉を神経組織、ならびに、神経堤組織に分化させる活性を持つことが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)