Project/Area Number |
08272210
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
笹井 理生 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 助教授 (30178628)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | フォールディング / スピングラス / デザイン / 蛋白質折れたたみ / エネルギーランドスケープ |
Research Abstract |
1 配列のデザイン原理 カルシウム結合蛋白を例により、経験的力場によってnative構造にフォールドする配列を、人工的に生成した。フォールド能力のある配列は、native構造だけでなくフォールディング経路に沿って広い範囲で適正なエネルギー曲面を持つ必要があること、native構造に無関係な構造を多く参照してもフォールド能力のある配列の選択には有効でないこと、一定速度で配列を試行的に変化させても、残基間の多体相関のため、選択された配列の変化速度は一定にならず揺らぐこと、などの知見が得られた。 2 水の動的ゆらぎと水和 蛋白質のまわりの水和水のゆらぎと蛋白質のゆらぎと相関を解析するために、水の構造を表現する局所構造指数と呼ばれる新しい統計量が開発、分析された。分子動力学計算により、水素結合ネットワーク構造が局所的に発達する時期と発達していない時期がランダムに間欠的に交替することが示された。常温のバルクの水では、構造の寿命は数100フェムト秒から10ピコ秒程度まで階層的に分布し、構造を持った分子は互いに集まってバッチを形成する傾向ある。ネットワークのゆらぎは構造の形成と崩壊を伴った振幅の大きい非線型ゆらぎであることが示された。 3 立体構造の起源とゆらぎ 生命進化の初期に蛋白質構造のグランドデザインがなされたとすれば、それはどのように行われたのであろうか、どのような構造や配列が出現しうるか、という統計法則を得るために、"活性中心の構造を粗く保持する能力をもつようにデザインされる"という選択過程を模した理論的モデルを構築している。経験的力場を用いたモデル、およびスピングラス理論を用いたモデルの開発を行い、選択された配列のフォールディングのキネティックス、構造の分析が進んでいる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)