Project/Area Number |
08272216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
片岡 幹雄 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30150254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 史生 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80025452)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | モルテングロビュール / 蛋白質折り畳み / 折り畳み中間体 / X線溶液散乱 / 変性構造 / αラクトアルブミン / カルモジュリン |
Research Abstract |
蛋白質本体構造の構築原理の理解にとって、非天然状態の構造を解明することは、天然構造を明らかにすることと同等に重要である。我々は、X線溶液散乱が天然構造のみならず、非天然構造を理解するために極めて優れた独特の方法であることを示し、実際にいくつかの蛋白質の変性状態や折り畳み中間体の特徴を明らかにしてきた。本年度は、αラクトアルブミンのモルテングロビュール(MG)について、構造を詳細に調べた。チトクロムc或いはアポミオグロビンのMGやStaphylococcal nucleaseフラグメントの構造と比較し、MGの形成や安定化要因を明らかにした。MGは距離分布関数(P(r))によって2種類に分類できる。一つは、単相性のP(r)を与えるもので、相当量のtertiary foldが形成されている。他は二相性のP(r)を与えるもので、tertiary foldはわずかに形成されているようである。このタイプの構造は、疎水的コアと揺動する鎖状部分からなっていると推測される。コアは主として疎水相互作用によって保持されるが、αラクトアルブミンのMGでは、さらに分子内SS結合がコンパクトさをもたらす主要因となっている。 蛋白質の結晶構造と溶液構造の関係を明らかにすることは、構造構築の原理の理解のみならず構造機能相関の理解にとっても重要である。我々は、カルモジュリン及びカルモジュリンの中心ヘリックスから1残基(E84)を欠損した変異体(Δ84)について、結晶構造と溶液構造の関係を調べた。野生型と変異型とでは、結晶構造が大きく異なるにもかかわらず、溶液構造は同一であることが判明した。実験から得られたP(r)は、結晶構造に基づいて計算されたP(r)の中間的な性質を示している。これらの事実から、溶液中でカルモジュリンは、野生型の結晶構造と変異体の結晶構造との間を揺らいでおり、結晶化により特定の構造が選択されるものと推定される。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)