タンデムリピートの進化的安定性から予測するタンパク質の折りたたみの基本単位
Project/Area Number |
08272237
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
川崎 博史 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 遺伝情報研究部門, 研究員 (70169704)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | タンデムリピート / 進化 / 構造予測 |
Research Abstract |
タンパク質のアミノ酸配列中に、一個から十数個の長さの配列が規則正しく繰り返している所がある。これをタンデムリピートと呼ぶことにする。繰り返し配列はランダムな突然変異に対して不安定であるので、何らかの安定化の機構、もしくは変異に対して強い淘汰圧があると考えられる。同一のDNAの配列が繰り返す例もあるので、何らかの機構で、タンデムリピートの単位のduplicationと消失がたえず起こっているものと考えられる。タンデムリピートのこの生成と消失が起こらなくなった場合、規則的な高次構造は保存されても、アミノ酸配列の規則的な繰り返しは消失してゆくであろう。このようなものは、もはやアミノ酸配列上からは、タンデムリピートとはみなされず、その高次構造からのみ規則的ならせん構造を含む折りたたみのパターンとして見い出されることになろう。このようなタンデムリピートから由来したと考えられるモチ-プがいつくか報告されている。 アミノ酸配列上の繰り返しが、比較的保存されている左巻きのparallel β-helixの解析を行った。これは、hexapeptide repeatもしくはisoleucine patchと呼ばれている配列モチーフである。その名のとおり、isoleucine,valineを含む6残基の配列の繰り返しから成る。立体構造が、明らかにされたUDP-N-acetylglucoamine acetyltransferaseのアミノ酸配列の比較を、hexapeptide repeatを単位として行った。その結果、4つのhexapeptide repeatからなる24残基の配列が、始源となった配列で、これを単位として重複が起こった可能性が示された。現在、この配列モチ-プを含むすべてのタンパク質の配列を比較して、これを確認するとともに、始源配列、もしくは理想化されたリピート単位の決定を行っているところである。この配列とparallel βhelixの立体構造をもとに、なぜ、左巻きのらせん構造をとるのか、右巻きのらせん構造は、この配列では不安定なのかを、モデリングを通じて、解析を試みている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)