マウスX染色体の活性変化とXist遺伝子のモザイク状メチル化
Project/Area Number |
08274201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高木 信夫 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (20001852)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | X染色体 / 不活性化 / Xist遺伝子 / DNAメチル化 / マウス |
Research Abstract |
1)肺盤胞の内部細胞塊を免疫手術により分離し,個々のCpG配列のメチル化の状態を特に雄に注目して検討中である。雄細胞唯一のXist遺伝子が完全にメチル化していないことを期待しているが、未だ十分な結果を得るに至っていない。(2)Xist遺伝子の機能解析の一環として、T16H転座を持つ雄マウス胚で、不活性化の開始時の状態を検討した。転座を持つ成熟雄では正常X染色体のみが不活性化するため、その原因を巡ってnon-randomな不活性化か、selectionによる二次的な影響なのか議論がある。Epiblastでの不活性化後約24時間目に当たる、受精後6.5〜7.5日の胚を胚体外部と胚体部に分離し、核型と発現されているXistアレルの定性的、定量的検討をRT-PCRによって行った。結果が得られた全ての胚でXistRNAは正常X上のアレルから発現し、転座X上のアレルからの貢献は認められなかった。従って、速やかなselectionがなければ、不活性化はnonrandomであったことになる。T16H転座ではX染色体はXistより約5cM動原体側で切断され、16番染色体の断片とと融合ししている。もし、不活性化がnon-randomであれば、不活性化すべき染色体を決定するという、不活性化センターの重要な機能が転座によって影響を受けたと考えられ、転座切断点近傍の探索が重要となる。残る可能性は、転座誘発時の放射線照射によって不活性化センター/Xistに生じた欠失等の構造変化である。いずれにせよ、クロマチンの凝縮を介してX染色体不活性化を制御する座位を検討する新たな経路になると期待される。(3)クロマチンの状態とX染色体の活性との関連を探るために、microcell fusionによって、ヒトの染色体としては不活性Xのみを含むマウス-ヒト細胞雑種CF150より、ヒト不活性X染色体をマウスEC細胞に導入した。このX染色体は複製の同調化、X連鎖遺伝子の新たな発現などから活性化したと判断されるが、Xist遺伝子は依然として発現していた。5領域のメチル化はクローンにより変異に富んでいた。ドナーのCF150ではヒト不活性X染色体は間期核においてややdiffuseした状態にあり、核の周辺部に局在する傾向も示さなかった。現在、ヒストンのアセチル化の変動を追及している。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)