Project/Area Number |
08275207
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹田 忠行 東京大学, 医科学研究所, 助手 (90188194)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Keywords | 転写因子 / ATF / 分裂酵母 / 接合 / 減数分裂 / カルモデュリン |
Research Abstract |
分裂酵母におけるAtf1の転写活性はオスモチィックストレスにより増加し、このシグナルカスケードに関与するwis1-株では誘導されず、pyp1-株では増加した。さらにAtf1はSty1キナーゼによりリン酸化され、種々のストレス応答に関与する遺伝子群の発現調節に関わることが明らかとなった。このことは動物細胞におけるSAPK/JNKおよびp38によるATF2の制御機構と同様の機構が分裂酵母でも保存されている可能性を示唆する。ATF2の過剰発現によりatf1-株の接合不能の形質は相補され、減数分裂が進行して子嚢を与えた。ATF2の転写活性領域は動物細胞と同様にN末94アミノ酸残基中にあることが示されたが、SAPK/JNKによりリン酸化される69、71番目のThrの変異では相補能は影響を受けず、分裂酵母ではATF2がSty1による制御を受けずに独立に機能することが示された。ATF2は窒素源飢餓条件でatf1-株のG1期停止不能の形質を相補するが、Mei2の発現はATF2の過剰発現では誘導されず、ste11遺伝子の転写誘導を相補しないと予想された。atf1-株あるいはsty1-株におけるSte11の過剰発現ではそれら接合不能の形質は相補されるが減数分裂を進行させないことから、Atf1の第3の機能として減数分裂への関与が示唆され、ATF2はste11の遺伝子誘導をバイパスしてこの機能を相補すると結論される。一方、cam1^<ts>変異株は許容温度でも窒素源飢餓条件で接合して生ずる二倍体は減数分裂に欠損を示し、胞子形成率の低下と4胞子に満たない子嚢を出現する頻度が上昇する。cam1^<ts>変異株におけるAtf1の過剰発現では減数分裂の進行が促進されて胞子形成率は上昇するが、4胞子を持つ子嚢を与える頻度は増加しない。この変異株と第2減数分裂に欠損を持つmes1変異株との二重変異株ではmes1変異株の形質との差異が見られないことから、分裂酵母カルモデュリンの減数分裂における主機能はMes1の機能発現以後にあると予想される。
|