減数分裂期組換えにおける2つのRecA様蛋白質の機能分化の解析
Project/Area Number |
08275217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
篠原 彰 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00252578)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 減数分裂 / 相同組換え / RecA相同遺伝子 / Dmc1蛋白 / Rad51蛋白 |
Research Abstract |
減数分裂期組換えは体細胞分裂期の組換えとは異なり、相同染色体間で交差を伴うことが知られている。この過程には体細胞分裂期の組換えに必要な遺伝子に加えて減数分裂期特異的な遺伝子が関与する。特に減数分裂期には2つの大腸菌RecA相同遺伝子、RAD51,DMC1が機能する。RAD51は体細胞分裂期、減数分裂期両方の組換えに必要なのに対し、DMC1は減数分裂期のみに必要である。両遺伝子は減数分裂期組換えの開始反応であるDNA二重鎖切断(DSBs)後に生じる露出した単鎖DNAの修復過程に働く。これらの2つのRecA様遺伝子の機能を知ることは減数分裂期の組換えの特性を知る上で重要である。 本研究は2つのRecA様蛋白質の機能の相違を遺伝的、細胞生物学的、そして生化学的アプローチを用い、理解することで減数分裂期組み換えの分子機構の一端を明らかにすることを目的とする。これまでrad51,dmc1株を用いた遺伝的解析から、両遺伝子が減数分裂期組み換えに必要なこと、Rad51,Dmc1蛋白質が減数分裂期の核内でfociと呼ばれるドット上の構造体として検出され、両蛋白質が共局在し、Dmc1 fociの形成にはRAD51の機能が必要なことが示されている。 rad51dmc1二重変異株を用いた遺伝的解析からrad51,dmc1株でみられる減数分裂期の停止が二重変異では解除されることを見出し、遺伝的にもRAD51がDMC1の前に働くことが示された。rad51,dmc1単独変異株で減数分裂期特異的に導入されるDNA二重鎖切断が修復されずに蓄積するが培地を減数分裂期導入後、栄養培地(YPD)に変えると両変異株とも導入された二重鎖切断が修復されることが示された。この結果は減数分別期には二重鎖切断の修復に両遺伝子産物を必要とさせるConstraintの存在が示唆している。つまり、培地を変えることでConstraintが失われるとRAD51,DMC1いずれ単独でも二重鎖切断を修復できることを意味している。減数分裂期のRad51,Dmc1 fociの形成はRAD51と同じグループに属するRAD52,-55,-57の変異株では観察されないことから、これらの遺伝子産物がRad51,Dmc1複合体の形成あるいはその維持に必要であることが示された。また、大腸菌でのDmc1蛋白質の量産系を確立した。今後は生化学的解析を中心にRecA様蛋白質の機能の違いを明らかにできると期待できる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)