Project/Area Number |
08276207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤本 善徳 東京工業大学, 理学部, 助教授 (50173472)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 生合成機構 / 20-ヒドロキシエクジソン / エクジステロイド / 安定同位体 / コレステロール / 毛状根 / Ajuga reptans / Polypodium vulgare |
Research Abstract |
シソ科植物Ajuga reptans var.atropurpureaの毛状根組織培養系を用い、以下の結果を得た。 まず、20-Hydroxyecdysoneに5位の水素の起源を解き明かすために必要な重水素標識ステロール類、〔6-^2H〕cholesterol、〔3,6-^2H_2〕cholesterol、〔6-^2H〕-7-dehydrocholesterol、〔6-^2H〕-7-dehydrocholesterol 5α,6α-epoxideを合成した。 これらの標識体を上記毛状根に投与し、生成する20-hydroxyecdysoneを^2H-NMRで分析することにより、コレステロールの6位水素の大部分が20-hydroxyecdysoneの5位に転位すること、並びに一部(約1/3)の5位の水素は別のソースに由来することを明らかにした。 次に、〔3,6α-^2H_2〕lathosterolおよび〔3,6β-^2H_2〕lathosterolを合成し投与実験を行った。この結果、lathosterolの6α-水素は20-hydroxyecdysoneの生合成過程で脱離し、6β-水素は5位に大部分転位することが見いだされた。既に植物において知られているラトステロールからコレステロールへの変換機構を考慮すれば、この結果は、コレステロールおよびラトステロールは共に7-デヒドロコレステロールに変換された後に20-hydroxyecdysoneに取り込まれることを強く示唆するものである。 また、cis-A/B環形成の過程(ステロール6位の水素が5位に転位する過程)で、上述の別のソースから一部の水素が入ってくることを示すデータも得られた。以上の結果は、7-dehydrocholesterol5α,6α-epoxideのエポキシド-カルボニル転位反応によりcis-A/B環が形成する機構を強く支持する。 シダPolypodium vulgareの前葉体培養系において、培養条件を種々検討しSH培地でよく増殖することを見いだし、標識基質の投与実験が可能となった。
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