MAPキナーゼ及びG2サイクリンと相互作用を示す染色体分配異常突然変異の解析
Project/Area Number |
08277210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉山 伸 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00270984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 育巧 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50107059)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | ショウジョウバエ / 出芽酵母 / MAPキナーゼ / サイクリン / 細胞周期 |
Research Abstract |
我々はMAPキナーゼシグナル伝達系とG2サイクリンによる染色体分配の制御機構の解明を目的に染色体分配異常を示すショウジョウバエ(D.melanogaster)のGp99突然変異を解析してきた。Gp99遺伝子は新規蛋白質をコードし、Gp99ホモ接合体の雌に由来する受精卵を卵割期に観察したところ、核分裂後期の染色体分配異常が観察された。Gp99突然変異の生存率の低下が、MAPキナーゼシグナル伝達系の活性型突然変異(Dsor1,Dsor3)により抑圧され、G2サイクリン(cyclinA,cyclinB)の機能欠損突然変異により優性に増強される。これらのことからGp99はMAPキナーゼシグナル伝達系とG2サイクリンを結びつける染色体分配の制御因子だと解釈された。Gp99蛋白質のアモノ酸配列を用いてホモロジー検索を行ったところ、出芽酵母では4つの相同遺伝子(仮称SC-1,2,3,4)がみつかり、その破壊実験を開始した。最初にショウジョウバエGp99との相同性が一番高く、150アミノ酸の相同領域で40%のアミノ酸の一致を示すSC-1遺伝子を破壊し、四分胞子解析を行ったところ、それが必須遺伝子であることが判明した。SC-1遺伝子破壊の結果、コロニー形成能を失った胞子の表現型を顕微鏡下で観察したところ、細胞の形態は正常で数回の分裂を経て増殖が停止していることが判明した。増殖が停止した細胞には出芽形成の開始が見られないことから、出芽形成が開始される前のG1期で細胞周期が停止していることが判った。また、細胞の大きさに差が見られたことから、娘細胞が母細胞から分離した直後のG1期の初期に停止していると解釈された。 以上のことから出芽酵母SC-1遺伝子は細胞周期制御に働くという点でショウジョウバエGp99遺伝子と進化的に機能が保存されていることが判明した。現在は残り3つの出芽酵母相同遺伝子(SC-2,3,4)の破壊実験が進行中であり、それらの遺伝子も細胞周期制御に働くか否かを調べている。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)