Project/Area Number |
08278206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
東江 昭夫 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (90029249)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | プロテアソーム / 出芽酵母 / 細胞周期 / 温度感受性 |
Research Abstract |
今年度の研究により、我々は出芽酵母のSUN1遺伝子が、マルチユビキチン鎖認識蛋白質をコードする26Sプアロテアソームのサブユニットであることを明らかにした。さらに、SUN1遺伝子を餌にした2-hybrid法により新規遺伝子SOI1を得た。DNA塩基配列から推定したアミノ酸配列と相同性を示す蛋白質は線虫のゲノム中に見い出されたが、機能については不明である。以下、SOI1遺伝子の解析結果を述べる。 soi1破壊株は温度感受性増殖を示す。許容温度から制限温度にシフト後4時間目に細胞の形態を観察したところ、約80%の細胞がダンベル型で、核は一つで母細胞と娘細胞の境界近くに位置していた。これは典型的なG2/Mアレストの性質である。核中のDNA含量が1NであることはFACSによって確認した。同調培養を用いた実験によっても、SOI1破壊株は制限温度でG2アレストを引き起こすことが示された。SOI1がプロテアソーム機能に関連するかどうかを調べるために、温度シフト後にSOI1破壊株がポリユビキチン蛋白質を蓄積するかどうかを調べた。その結果、SOI1破壊株は制限温度下で多量のポリユビキチン化蛋白質を蓄積し、Soi1蛋白質はプロテアソーム機能に必要な蛋白質であることが分かった。これまでにプロテアソーム異常によりG2/Mアレストが引き起こされることが知られていたが、SOI1破壊株が示すG2アレストの高い同調性は他のプロテアソーム変異株には見られない。 SOI1遺伝子をGAL1プロモーター下に繋げ誘導すると、細胞はやはり温度感受性の増殖を示す。このときの増殖停止はG2アレストではなかった。また、ポリユビキチン化蛋白質の蓄積もなかった。SOI1遺伝子の機能欠損と機能昂進がいずれも温度感受性を示すことは興味深く、SOI1遺伝子の機能を考える上で重要なヒントを与えているものと考えられる。
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