プロモーター部位の使い分けによるプロテアーゼの細胞内局在化機構
Project/Area Number |
08278209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
広瀬 茂久 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (10134199)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | プロモーター / オリゴペプチダーゼ / ニューロリシン / 細胞内局在 / ミトコンドリア移行シグナル / プロテアーゼ |
Research Abstract |
Oligopeptidase M(MOP)はEP 24.16ないしはNeurolysinとも呼ばれ,長い研究の歴史を有するが,最近,それが複数の細胞内部位すなわち細胞質とミトコンドリアの両方に存在することが明らかになり,にわかに注目を集めている。私たちはMOP cDNAの5′末端の多様性と遺伝子構造を対応させることにより,MOP遺伝子にはプロモーター部位が3ヶ所あり,それらの使い分けによって,ミトコンドリアに行くかあるいは細胞質にとどまるかを決めている可能性が強いことを指摘したが,このことを証明するために1)MOP遺伝子の全構造を決定し,同族分子で細胞質にしか存在しない EP 24.15(TOP)のそれと比較するとともに,2)3種のプロモータから読まれる産物をCOS細胞で発現させ,異なる細胞内局在を示すことを確認した。具体的には,MOP遺伝子は16個のエクソンから成り,TOP遺伝子は13個のエクソンから成っていた。このうち,MOPのエクソン5〜16とTOPのエクソン2〜13は非常によく一致しており,共通の先祖から分かれて進化してきたことを窺わせたが,5′側のエクソンは全く異なっていた。特に,MOP遺伝子のエクソン1〜3はエクストラで,TOP遺伝子にはなく,しかもエクソン1にミトコンドリア移行シグナルが含まれていることが明らかになった。実際,エクソン1の上流にあるプロモーター1から読まれたときの産物をCOS細胞に発現させて細胞内局在を調べたところ,ミトコンドリアに移行することが確かめられた。下流のプロモーター3が使われたときは細胞質型しか出来ないこともわかった。長年の大問題を見事に解決した仕事といえよう。細胞の置かれた状況によりプロテアーゼの細胞内配置が変わる仕組みの生理学的意義の解明が待たれる。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)