Project/Area Number |
08278215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永田 和宏 京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (50127114)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | ストレス蛋白質 / HSP47 / プロコラーゲン / 分子シャペロン |
Research Abstract |
HSP47はセルピンファミリーに属するストレス蛋白質である。セルピンファミリー蛋白質は、多くは分泌されるが、HSP47は小胞体に局在して、コラーゲン特異的な分子シャペロンとして機能している。 HSP47の機能を明らかにするために、HSP47アンチセンスRNAを導入することによって、コラーゲン合成がどのような影響を受けるか、また、合成されたプロコラーゲンの3量体形成や分泌にどのような影響があるかを検討した。HSP47cDNAをサイトメガロウイルスのエンハンサー、βアクチンのプロモータの下流にアンチセンス方向につなぎ、細胞に導入して安定発現株を得た。この細胞では、HSP47の合成量、蓄積量、およびmRNA量がいずれも顕著に減少していた。興味深いことに、この細胞では、HSP47の減少のほかに、コラーゲンの合成そのものが低下していることがわかった。コラーゲン合成の低下は、蛋白質レベル、mRNAレベルでも観察され、転写レベルの制御であるものと思われた。 一方、このようにHSP47量の低下した細胞における、新たに作られたプロコラーゲンの分泌速度を、パルスラベル/チェイス法、免疫沈殿法を用いて検討すると、プロコラーゲンの細胞外への分泌速度の低下が観察された。さらに、HSP47およびコラーゲンの減少株に、あらたにコラーゲンα1鎖cDNAを導入した。HSP47減少株では、導入されたコラーゲンα1鎖は、不溶分画に回収された。これは、HSP47が、コラーゲンに特異的な分子シャペロンとして、コラーゲンの分泌に積極的な役割をはたしていることを示唆しており、分子シャペロンとしてのHSP47の機能が確認された。
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