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¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
我々は,アスパラギン酸プロテアーゼ阻害剤の合成研究を行なってきており,高血圧において重要な役割を果たすレニンの阻害剤,エイズの原因ウイルスであるHIVプロテアーゼの阻害剤などの合成を行ない,酵素と阻害剤の結合に必要な最小阻害活性部位の探索や高い酵素阻害活性を持つ化合部(KNI-272)の合成に成功した.この成功は,酵素反応のメカニズムに着目して,酵素・基質複合体および酵素・阻害剤複合体のコンフォメーションを解析し,酵素分子活性中心の基質遷移状態のコンフォメーションを固定したミミックをデザインするという新しく論理的な方法を用いたことによるところが大きい. このような背景のもとに,この有用な方法を,細胞内およびウイルスプロテアーゼ阻害剤のデザインに応用し,基質のtransition-state analogと酵素の相互作用の解析から阻害剤を分子設計し,それに基づいてペプチドmimicを合成し,メカニズムの明確なプロテアーゼ阻害剤開発の一般的方法論確立をめざした.また本研究から,カテプシンDなどの細胞内ならびにウイルスプロテアーゼの蛋白分解反応の分子機構解明への発展を目指した. 1.ウイルスプロテアーゼの合成.各ウイルスプロテアーゼの合成は我々が開発した希釈メタンスルホン酸をα-アミノ保護基切断に使用する固相合成法で,ペプチド自動合成機により行なった.また純度の高いプロテアーゼを得るためビオチン誘導体の形で精製した. 2.基質の合成:基質としてプロセッシング部位の各種ペプチドを合成した.[p19/p24(Pro-Gln-Val-Leu-Pro-Val-Met-His),p24/p15(Thr-Lys-Val-Val-Gin-Pro)]. 3.阻害剤の合成.遷移状態誘導体の概念に基づいてプロテアーゼに特徴的な基質の切断部位Leu-ProおよびLeu-Val(P1-P1')のアミド結合をイソステリックな還元型[CH2-NH],ヒドロキシエチレン型[CHOH-CH2],ジヒドロキシエチレン型[CHOH-CHOH]等に変換し,各基質遷移状態誘導体を合成した. 4.阻害活性の測定.合成したウイルスプロテアーゼ,及び合成基質を用いて酵素活性測定系を確立し,この系を用いて合成阻害剤の阻害活性を測定を行なった.
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