Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
(1)上丘内の局所神経回路の構造を明らかにするために生後3週のラットの上丘の厚さ250μmのスライスを作成し,上丘中間層および視神経層の様々な細胞からwhole-cell patch clamp法による記録を行った。その結果、中間層および、視神経層の細胞は定常電流に対する活動電位の生成パターンにより,7群に分類され,それぞれに特徴的な形態を示すことが明らかになった.特にその一群で,Regularな発火特性を示し,過分極側で内向き整流性のH電流を生じる細胞は視神経層(SO)に存在し,表層(SGS)に広範に樹状突起を派生し,さらにより深い層に軸索側枝を投射,終末することから,浅層に入力する視覚情報をより深い層に伝えるのに重要な役割を果たすと考えた.また,上丘中間層の細胞にニコチンを投与する著明な内向き流を生じた。このニコチンによる脱分極作用により,視神経と浅層刺激に対する中間層細胞の応答は促通を受けた.このように上丘中間層におけるニコチン受容体の刺激は上丘内での信号伝達を修飾する作用があることが明らかになった.この修飾作用は空間的注意が眼球運動の遂行に影響を与えるメカニズムに関与すると考えている. (2)視覚対象への3次元空間内での無拘束の上肢到達運動の制御に関わる中枢神経機構を明らかにするためにニホンザルの到達運動の軌跡を記録,解析している.その結果,運動の速度曲線は速やかな立上りと運動の後半に次第に減速するベル型を示し,運動の距離と速度の関係は右向き,左向きの運動を問わずほぼ同じprofileを示している.このように関節の使い方が全く異なる運動においても距離-速度関数がほぼ一致することは,視覚-運動変換過程において関節,骨格筋の動きといったdynamicsだけでなく,運動の速度,軌跡というkinematicsを符号する情報が使われていることを示唆する.
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