ニホンザルの前頭前野における情報変換及び情報統合機能の分化
Project/Area Number |
08279208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂上 雅道 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (10225782)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 前頭前野 / ニホンザル / ニューロン活動 / ムシモル / 階層的情報処理 / 選択的注意 |
Research Abstract |
ここ数年間、我々は、ニホンザルに複合視覚刺激を使った選択的注意課題を学習させ、その課題遂行中の前頭前野のニューロン活動を記録・解析してきた。その結果、次のことが明らかになった。 (1)サルの前頭前野(特に背外側部)には、視覚刺激の物理的特性ではなく、それと連合した行動的意味をコードするニューロンが多数存在する。 (2)行動的意味をコードするニューロンの中には、手がかりとなる視覚次元にかかわらず、視覚刺激の行動的意味を反映した応答をするものと、サルが特定の視覚次元(色、形、動きなど)に注目して課題を遂行しているときにだけ弁別的な応答をするものとがある。 (2)の2つのタイプのニューロンの間には、(1)前頭前野内での分布、(2)空間選択性、(3)視覚刺激に対する応答潜時に、システマチックな違いが見られた。このことは、刺激の持つ行動的意味の判断に関して、前頭前野は、階層的な情報処理を行っていることを示唆する。 そこで、今回の研究では、前頭前野の行動的意味の判断に関わる機能が、実際の行動とどのような関係にあるかを調べるために、前述の課題と同様の課題(ただし、go試行での反応時間を記録するために手がかり刺激と反応の間の遅延期間をなくした)遂行中のサルの前頭前野背外側部の様々な領域に、GABAのagonistであるmuscimolを注入し、その行動変化を調べた。 まだ、実験データを集めている段階ではあるが、例えば、注入半球とは反対側視野に呈示した刺激の特定の次元で指示した反応だけができなくなるなど、今回のmuscimol注入実験でも、ニューロン記録の実験の結果に基づいた「前頭前野における行動的意味の階層的情報処理」の仮説を支持する結果が得られている。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)