出芽酵母DNAポリメラーゼεとその補助因子のDNA修復における役割
Project/Area Number |
08280218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒木 弘之 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (20151160)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | DNA修復 / 細胞周期 / チェックポイント / DNAポリメラーゼ / 酵母 / 発現誘導 |
Research Abstract |
出芽酵母の染色体DNA複製に必須なDNAポリメラーゼII(ε)(Pol II)と相互作用するDPB11は、染色体DNA複製とチェックポイント機構に関与している。さらに、dpb11-1温度感受性変異株は紫外線やMMSにも感受性であるが、これが修復系の欠損によるのかダメ-ジチェックポイントの欠損によるのかは分かっていない。そこでまずDpb11の機能を知るため、Dpb11と相互作用する因子を遺伝学的に同定した。一般に相互作用する因子の変異を同時に持つ株を作ることはできないため、dpb11-1変異と同時に起こると致死となるsld変異を分離し、これら変異を相補するSLD1-5遺伝子を同定した。SLD1遺伝子は、Pol IIのサブユニット遺伝子DPB3と、SLD4遺伝子はDNA複製開始に必要なCDC45遺伝子と同一であった。これは、Dpb11がPol IIと相互作用すること、複製開始に関与することを示唆している。SLD2,3,5遺伝子は共に新規の遺伝子で増殖に必須であった。そして、2ハイブリッド系でDpb11とSld2の相互作用が観察された。さらに、DPB11遺伝子とSLD2遺伝子を昆虫細胞中で共発現させると、Dpb11/Sld2複合体が観察された。またMMSや紫外線により修復に関与する遺伝子の発現が誘導される。誘導される遺伝子の1つであるRNR3遺伝子の誘導を調べると、pol2-11変異ではこの誘導が起こらないことが報告されている。そこで、dpb2-1,dpb3Δ,dpb11-1,sld2-1変異株で調べると、RNR3の誘導レベルが1/2-1/10に低下していた。従って、これらPol II,Dpb11/Sld2複合体がDNA損傷を検知し、修復関連遺伝子の発現を誘導する機構に関与していると結論できる。
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Report
(1 results)
Research Products
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