ネズミマラリア感染防御における胸腺外分化T(NK1.1^+T)細胞の関与
Project/Area Number |
08281206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
安保 徹 新潟大学, 医学部, 教授 (30005079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 和由 新潟大学, 医学部, 助手 (80272821)
渡部 久実 新潟大学, 医学部, 助手 (50143756)
関川 弘雄 新潟大学, 医学部, 助教授 (50018694)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 1996: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Keywords | マラリア / ネズミマラリア / 胸腺外分化T細胞 / NK1.1^+T細胞 / 肝 / 顆粒球 / ヒトマラリア / 初期防御 |
Research Abstract |
[目的]これまでのネズミマラリア原虫感染の免疫学的研究において、感染の主要部位である肝での研究が欠除していた。特に、肝にはNK細胞、胸腺外分化T細胞という異常自己に反応する細胞があることを考えるとマラリア原虫感染における肝での研究は重要と思われる。胸腺外分化T細胞は自己応答性を持ち、異常自己細胞を認識し直接傷害できるからである。また、ヒトでも、胸腺外分化T細胞が同定できるので、ヒトマラリアでの研究も合わせて行った。 [結果]ネズミマラリア(P.yoelii)をマウスに感染させると、免疫動態の変化は主に肝においてみられた。脾リンパ球の変化はこれに比べると小さい。感染初期(1〜3日)の肝の変化は、NK細胞と胸腺外分化T細胞(intermediate TCR細胞として同定)の増加であり、後に胸腺由来T細胞の活性化が続いた。つまり、常時、NK細胞→胸腺外分化T細胞→胸腺由来T細胞という順序で活性化が起こっていた。P.yoeliiの致死株では肝に顆粒球増多が伴い、非致死株ではこれがこなかった。致死と顆粒球増多の関係が示唆された。 ヒトのマラリア患者(子供)でもNK細胞(CD56^+NK細胞)や胸腺外分化T細胞(CD56^+T細胞)の増多が末梢血に認められたが、その程度は著しくなかった。しかし、重症のマラリア患者では、マウスの場合と同様に、著しい顆粒球増多が認められた。 [考察]細胞内寄生するマラリア原虫感染の初期防御には、肝においてNK細胞と胸腺外分化T細胞が深く関与しているものと思われた。また、顆粒球の出す活性酸素や酵素が臓器不全(腎など)を引き起こし、宿主を死に導くものと思われた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)