Project/Area Number |
08282210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上野川 修一 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (50011945)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 自己免疫疾患 / アレルギー / 経口トレランス / T細胞 / トランスジェニックマウス / 免疫応答 / コラーゲン / SCIDマウス |
Research Abstract |
抗原の経口投与により誘導される末梢トレランス「経口トレランス」は、アレルギー、自己免疫疾患に対する予防、治療法として期待される。しかしながら、経口トレランスの機序についてはまだ十分解明されておらず、臨床応用のための知見も十分ではない。そこで本研究では以下のように経口トレランスの誘導機構について解析し、自己免疫疾患を効果的に抑制する抗原の形態、構造について検討した。 (1)SCIDマウス移入系を用いた経口トレランス誘導細胞群の解析 正常マウスの脾臓細胞からリンパ球サブセットを分離してSCIDマウスに移入し、レシピエントSCIDマウスにおける経口トレランス誘導を解析した。その結果、BALB/cマウス脾臓細胞、脾臓T細胞、CD8^+細胞除去細胞いずれを移入したマウスにおいても経口トレランスが誘導された。これより経口トレランスの誘導にはCD8^+T細胞、B細胞は必要ないことが示された。 (2)抗原の経口投与により誘導されるTh2様サイトカイン産生を持つT細胞の機能の解析 OVA特異的T細胞抗原レセプタートランスジェニックマウスにOVAを飼料中の成分として経口投与した場合、膵臓中にTh2様サイトカイン産生パターンのT細胞が誘導された。そこで、この細胞の性質と機能を典型的なTh2型細胞と比較した。その結果、この細胞は十分に抗体産生に対するヘルパー機能を持たないなど典型的Th2細胞とは異なると考えられた。このような細胞が抗体産生レベルでの経口トレランスの誘導に関与することが示唆された。 (3)II型コラーゲンの経口、経鼻投与によりコラーゲン誘導性関節炎(CIA)の抑制 DBA/lマウスに様々な形態のII型コラーゲンを経口、経鼻投与し、その後のCII免疫によるCIA誘導への効果を検討した。その結果、熱変成CII、断片化したCIIでもCIAが抑制された。さらに、CII由来合成部分ペプチドの投与によってもCIAが抑制された。
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