レトロウイルスの膵β細胞特異的発現に基づくI型糖尿病発症の分子機構とその制御
Project/Area Number |
08282222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
花房 俊昭 大阪大学, 医学部, 講師 (60164886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 昭 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
中島 弘 大阪大学, 医学部, 助手 (50252680)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | インスリン依存型糖尿病 / レトロウイルス / クローニング / 膵臓 / RT-PCR / gag遺伝子 / エイズ / 転写活性 |
Research Abstract |
本研究は、インスリン依存型糖尿病(IDDM)の成因としてウイルスが関与しているか否かを明らかにするため、モデル動物NODマウスを用い、(1)膵β細胞に発現しているレトロウイルスのクローニング、および、(2)同ウイルスによる糖尿病発症機序の解明、を行った。 まず、NODマウス脾より、mRNAおよびゲノムDNAを得た。タイプCレトロウイスルのうち既知のウイルスのgag領域の相同性の高い配列をプライマーとして用い、RT-PCR法によるホモロジークローニングを行った。その結果、NODマウスのみに発現し、これまで報告のないレトロウイルス配列を得た。さらに、NODマウスゲノムより、PCRクローニングにて本レトロウイルス(NODV)ゲノム全構造を明らかにした。NODVの全長は4.8kpbで、gag遺伝子領域は比較的保存されているものの、pol領域は短縮され、env領域は痕跡程度であった。この構造はマウスエイズウイルス(MAIDS)と非常に類似しており、replication defective virusと考えられた。NODマウスにおけるNODVmRNAの組織分布をみると、膵のみに発現していた。NODVのLTR領域は、ルシフェラーゼアッセイにより、膵内分泌細胞において転写活性を有していることが明らかになった。NODVmRNAのNODマウス膵における経時的発現をみると、膵島炎の開始する4週令において最も高発現で、6週、10週と発現が低下していた。 以上、IDDMモデル動物NODマウスにおいて、膵に特異的に発現しているレトロウイルス(NODV)のクローニングに成功した。NODVの発現パターンより、本ウイルスがNODマウスの糖尿病発症に関与していることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)