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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
本研究はMHC-ペプチド親和性をより迅速、簡便、かつ正確に決定する方法の開発し、これを用いてHLA-DR9分子に結合ペプチドの構造モチーフを同定し、β2-Glycoprotein I(β2-GPI)蛋白中にT細胞エピトープを推定することを目的とした。そのためにまず、15アミノ酸残基のランダムペチドを発現するファージ(fUSE5)ライブラリーの中から、精製DR9分子に結合性の高いファージ粒子を選択し、そのインサートのアミノ酸配列を同定した。そのペプチド上の各アミノ酸残基を一箇所置換したアナログペプチドとDR9分子との結合性を定量し、DR9分子に結合するために重要なペプチド上の残基(アンカー)の位置を決定した。さらにELISA法を応用して、精度や簡便さにおいて従来のアッセイ法に勝る方法を樹立し、これを用いて各アンカーに許容されるアミノ酸残基(モチーフ)を決定した。同定されたDR9結合モチーフはTrpxxSer(xは任意のペプチド)であり、第1アンカーにはTrpの他に、Tyr,Met,Phe,Ile,Leu,Valなどの疎水性アミノ酸残基とCysが、第2アンカーには、Serの他にThr,Gly,Ala,Val,Ile,Pheなどの弱い疎水性または中性親水性のアミノ酸残基とHisが許容された。1)第1アンカーにCysが許容される点、2)第2アンカーにSerのような小型中性アミノ酸残基が許容される点、3)第3、4、5アンカーにアミノ酸残基の制約がない点において、DR9結合モチーフは他のDR結合モチーフと異なっていた。さらに、1)に対応して、Cys残基が豊富なβ2-GPI蛋白中には、41箇所ものDR9結合モチーフを有するアミノ酸配列が存在することを明らかにした。今後、DR9結合モチーフを有するβ2-GPI合成ペプチドに自己反応性を示すT細胞が患者の末梢血中に存在するか否かを検討することは重要な課題である。
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