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¥5,400,000 (Direct Cost: ¥5,400,000)
Fiscal Year 1997: ¥5,400,000 (Direct Cost: ¥5,400,000)
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Research Abstract |
炭素-水素結合を活性化して,炭素-炭素多重結合に付加させる触媒反応は炭素-炭素結合を生成させるもっとも効率的な反応のひとつであり,原理的に副生成物を生じない究極的反応プロセスである.即ち,従来有機合成で良く用いられているハロゲン化アルキルやハロゲン化アリールを用いないで行えることになる.これは合成の効率化のみならず,環境問題との関連でも極めて注目される.本研究では,アレンとアセチレンを主とする不飽和化合物の数種の直接カップリング反応を開発した. 塩化ガリウムを用いると,シリルアセチレンによって芳香族炭化水素がβ-シリルビニル化できることがわかった.これに関連して,塩化ガリウムがオレフィン,アセチレンを強く活性化することを明らかにした.さらに,有機ガリウム化合物が関わる新しいカルボメタル化反応を見い出した. 我々は先に,フェノールにアセチレンガスをスズ塩の存在下で反応させることによって,フェノールを直接ビニル化できることを見い出した.この反応は芳香族炭素-水素結合を直接ビニル化する新手法である.この展開として,種々の置換フェノール類のビニル化法を確立した.また,一挙に2,6-ジビニル化できる方法を開発した.さらに,アニリンのビニル化反応も開発した. Pauson-Khand反応はアセチレン,オレフィンと一酸化炭素からシクロペンテノンを一挙に与える反応である.この反応がアミン類によって,著しく促進されることを明らかにした. パラジウム触媒を用いるアレンの二量化反応を開発した.この方法によって,交差共役トリエン類が高収率で得られることになった.
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