超微粒子のブラウン運動を利用した固体高分解能^1H NMR
Project/Area Number |
08454188
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
木村 啓作 姫路工業大学, 理学部, 教授 (70106160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 晶 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (80172245)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥6,800,000 (Direct Cost: ¥6,800,000)
Fiscal Year 1996: ¥6,800,000 (Direct Cost: ¥6,800,000)
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Keywords | プロトンNMR / 固体高分解能MNR / ナノコロイド / テレフタール酸 / 超微粒子 / ブラウン運動 |
Research Abstract |
液体中の分子においては高速の回転ブラウン運動や並進ブラウン運動によって陽子間の双極子相互作用は平均化され共鳴線幅は尖鋭化するするのに対し、固体内では注目している核種のスピンは周囲にある他核種からの双極子場に曝され、外部磁場以外に重畳した磁場の下でその線幅は液体中にある核種に比して非常に広くなっている。これは双極子場の非常に強いプロトンでは特に顕著で固体高分解能プロトンNMRを実現することは磁気共鳴研究者の夢であった。これまでNMRの線幅を先鋭化するには二つの方法が知られていた。スピン空間内での平均化と実空間内での平均化である。これまで前者の方法に基ずくCRAMPS法が知られており。多数の有機化合物に適用されてきた。一方我々は固体結晶をナノサイズにすることにより液体中のブラウン運動を利用して線幅の尖鋭化が可能なことをAIF_3イオン性結晶において実証した(線幅100Hz)。また有機結晶としてはじめてテレフタル酸において尖鋭化が可能なことを証明した(1994,Chem. Lett. (2155-2158)。 リングプロトンオルト位のスピン-スピン結合を分離したため線幅は10Hz以下と見積もられる。これが我々の知るところリングプロトンの線幅の最小値である。本提案において研究するものは原料物質を不活性低圧ガス中で加熱することにより蒸発、凝集の過程を通してナノサイズの粒子を気相中に結晶成長させるガスフロー法による超微粒子作製である(UFP-NMR法)。これまでの研究でできるだけサイズの揃った粒子を作成することが線幅を先鋭化するの一番重要な因子であることが分かっているため蒸発の温度制御に細心の注意を払った。 以上の工夫の基に我々は半値幅として1.5〜2.0Hzを得ることに成功した。それは我々が当初目標とした「芳香族リングプロトンに対し線幅1Hzを切ること」にほぼ匹敵し当初の目的は達成されたと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)