Budget Amount *help |
¥7,900,000 (Direct Cost: ¥7,900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1996: ¥6,100,000 (Direct Cost: ¥6,100,000)
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Research Abstract |
葉緑体DNA(cpDNA)は数多くのタンパク質とともに高次の複合体(葉緑体核様体)を形成しており,これがcpDNAの機能的な単位となっている。核様体はプラスチドから葉緑体等への分化の過程で,ダイナミックな形態変化を遂げ,特に,盛んに複製される時期には,プラスチド包膜に結合する。こうした動的変化の基礎となる,葉緑体核様体の基本的な構造を明らかにするため,核様体を構成するタンパク質のcDNAの単離と核様体構成成分の集合状態の分析を行った。 1。プラスチド核様体を構成するタンパク質は,植物の発達に伴って著しく変化することがわかった。プラスチド核様体から塩処理により遊離される70kDaタンパク質についてウェスタン法で調べたところ,エチオプラスト核様体では主成分であるが,葉緑体の発達に伴って,存在量が減少することがわかった。また,包膜に存在するDNA結合タンパク質PENDタンパク質のcDNA単離し,その性質を調べた。 2。若い核様体に対する抗体を用いてcDNAライブラリの発現スクリーニングを行い,10個の新規cDNAクローンを得た。 3。以前の研究で得られていたPDlが,50kDaの核様体タンパク質をコードしていることがわかった。また,PD3も核様体タンパク質をコードするが,さらに,200kDaの前駆体から,プロセシングにより,N末端側の130kDaとC末端側の60kDaのヘプチドが生ずること,根粒では,別のプロセシングにより,N末端側の55kDaのペプチドだけが存在することが判明した。なお,PDl,PD3タンパク質は核様体を塩処理しても容易には遊離せず,特別な構造をつくっていることが考えられた。 以上,核様体の構造は極めて複雑であること,その構成が植物の発達に伴い変化することを明らかにした。
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