Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
本研究は多様な精子活性化ペプチド受容体構造を明らかにし、リガンドと受容体の共進化に対する理解を深めることを目的としている。SAP-Iの受容体は63kDa、71kDaタンパク質に膜結合型グアニル酸シクラーゼ(mGC)でSAP-Iは71kDaタンパク質に結合する。SAP-lIAはmGCにのみ結合するが受容体はmGC以外のタンパク質と複合体を形成していると思われる。SAP-IIIは3種のタンパク質(64kDa、87kDa、126kDa)に結合する。64kDaタンパク質はSAP-1受容体構成タンパク質である63kDaタンパク質と、87kDaタンパク質は71kDaタンパク質と、さらに126kDaタンパク質はmGCと相同性が高い。従って、精子活性化ペプチドは3種類のタンパク質(膜結合型グアニル酸シクラーゼ、2種類の精子膜タンパク質)から構成されていると考えられる。一方、mGCは各種のウニに1種類ではなく、SAP-Iを保有するバフンウニには8種、SAP-IIBを保有するツガルウニには6種、SAP-IIIを保有するタコノマクラには6種、SAP-IVを保有するガンガゼには6種、SAP-Vを保有するオオブンブクには3種存在することが明らかになった。さらに、ウニ以外の棘皮動物ではイドマキヒデに6種、マナマコに11種、ニホンクモヒトデに9種存在する。これらのうちのタコノマクラの2種のmGCのクローニング及びマナマコの1種のmGCのクローニングの結果(いずれも全長ではないが)、細胞内領域はバフンウニの1種(GC-A及びGC-Bと高いホモロジーを示す)と高い相同性を示したが、細胞外領域は殆ど相同性を持っていなかった。SAP-Iの受容体を構成していると考えられるmGCのリン酸化部位(24残基のホスフォセリン)のうち14残基の位置を決定したが、そのうちの7残基はGC-A及びGC-Bと同じ位置で、キナーゼ領域、触媒領域に分布していることが明らかになった。
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