Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 誠司 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (10285249)
飯島 典生 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (00285248)
玉田 善堂 京都府立医学部, 医学部, 助手 (60254364)
田中 雅樹 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (80264753)
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Budget Amount *help |
¥8,200,000 (Direct Cost: ¥8,200,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥5,700,000 (Direct Cost: ¥5,700,000)
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Research Abstract |
血漿膠質浸透圧の維持やストレス負荷に対する反応などに関与する視床下部室傍核において両者の機能に注目して以下の研究を行った。 (1)Suprague-Daweley 雄性成熟ラットを用い2%の食塩水経口投与(7日間)による慢性高浸透圧血症群(DEHYD)及び食塩水経口投与後7日間通常の飲水を行った回復群(REHYD)を作成し、それらにおける視床下部室傍核におけるバソプレシン(AVP)ニューロンとCRHニューロンの蛋白及びmRNAの反応について免疫細胞化学およびin sitj hybridizationを同一切片に摘要して検索した。結果としてDEHYD群では室傍核大細胞性領域にmRNA陽性,蛋白陰性ニューロンが多数認められ,浸透圧の上昇に伴いAVP産生,放出のサイクル亢進が示唆された。また,小細胞性領域においてもAVPmRNA陽性ニューロンは無処置(CONT)群に等しかったが,小細胞性AVPmRNA陽性ニューロン数は依然高値を示し,CRHmRNA陽性ニューロンの数は減少していた。この実験結果より,高潮食塩水負荷は高浸透圧血症のみならず,ストレスとしても強く作用していることが示唆された。 (1) (2)における実験と同様,3群の動物を作成の後,それぞれの群れに180分の拘束ストレスを加え,室傍核小細胞性ニューロンで産生されるAVP及びCRH変化をmRNAレベルで検索した。血中ACTH濃度は急性ストレスにより優位な増加が認められたが,その値はCONT群に対しDEHYD群で低値,REHYD群で高値であった。CONT群では急性ストレスによりCRHmRNAは増加,AVPmRNAは変化は認められなかったのに対し,AVPmRNAは有意な増加が認められた。以上の所見から慢性高浸透圧血症時並びにその回復期において小細胞性領域で産生されるAVPはストレスに反応し,CRHに代わりACTHの分泌を制御していることが強く示唆された。
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