Budget Amount *help |
¥10,500,000 (Direct Cost: ¥10,500,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥6,500,000)
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Research Abstract |
高温燃焼で生成する微量酸化窒素は800℃程度以下の排ガス中では非平衡であり,触媒の表面では二酸化窒素は強力な酸化剤,一酸化窒素は分解反応経路により酸化剤にも還元剤にも働き,分解して平衡化する。これらの分子が触媒上に次々と供給され定常的に分解するとき,触媒はその分解時に酸化窒素から解放される強力な酸化力(あるいは還元力)に包まれ,気相中の酸素ガス圧に比べて極めて高い(あるいは低い)酸素圧下にあるのと同じ状態になると考えられる。この仮説が正しいならば,その触媒となっている酸化物バルクの物性変化を利用した高温作動する窒素酸化物センサーができる筈である。この仮説を検証するため,微量窒素酸化物ガス中でのコバルト系ペロブスカイト型酸化物緻密焼結体の不定比酸素量の変化を高温微重量天秤を用いて精密計測した.その結果,酸化物中の酸素の濃度は平衡酸素圧から予想される値を遥かに越え,導入した二酸化窒素の分圧より約1桁高い酸素ガスと平衡の時の濃度になることが実証された。たとえば,500ppmの二酸化窒素は700℃で1%の酸素ガスに相当する酸化力を示し,酸化物中の不定比酸素量がそれに対応して増加する.これは,酸化物触媒の機能の本質を端的に明らかにしたものでもあり,触媒研究においても極めて重大な発見である。これと並行して,銅系,鉄系,チタン系のペロブスカイト型酸化物の導電率が酸素を含む気流中の微量窒素酸化物によつて平衡値から大きく変化することを明らかにした。特に単結晶チタン駿ストロンチウムは,微量二酸化窒素により数十気圧の酸素との平衡状態に相当する導電率を示し,種々の計測から,これが本研究で提起した原理によるものであることを明らかにした。本研究で発想した原理に基づく―酸化窒素による導電率変化はチタン酸ストロンチウム単結晶で明瞭に確認されが,一般に一酸化窒素の還元効果は極めて弱いことが明らかになった.
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