20世紀フランス思想における「技術」と「非西洋」に対する視座
Project/Area Number |
08610005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Philosophy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
増田 一夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (70209435)
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Project Period (FY) |
1996 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1998: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1997: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1996: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | スティグレール,ベルナール / アーレント,ハンナ / ハイデガー,マルティン / デリダ,ジャック / 技術 / 人間学 / 政治 / エリュル,ジャック / デリダ / アーレント / ドゥボール / コミュニケーション / ハイデガー / 移民 / 国民国家 |
Research Abstract |
哲学は、その端緒以来、哲学の他者および他者一般の問題と対決してきた。報告者のこれまでの研究では、他者性を具体的に考察するにあたって、国民、ナショナリズム、アイデンティティ、移民などの概念を導きの糸としてきた。しかし、ジルベール・シモンドンの「技術的対象に対する文化の態度はクセノフォビア(排外主義)の態度を思わせる」という直感が、研究を新たな次元に導くことになった。たしかに、生活のあらゆる場面における技術の浸潤を脅威と感じ、防衛的態度をとることを一方的に責めることはできない。しかし、技術をたんに否認したり拒絶したりすることは、問題の解決どころかその分析さえ不可能にしてしまうのも事実である。 上記のような観点から、本研究では、まず第一に20世紀フランス思想家(ヴァレリー、ベルクソン、メルロ=ポンティ等)におけるテクノフォビア(技術嫌悪)を分析した。また、今日のフランス思想に対する影響の大きさから、フランス以外で活躍したハンナ・アーレントとマルティン・ハイデガーも重要な対象とした。そして第2段階としては、技術嫌悪に代わる技術の思想を、ジャック・エリュル、アンドレ・ルロア=グーラン、ベルナール・スティグレール、ジャック・デリダの読解を通じて模索した。この作業は膨大なものであり、まだ成し遂げられたとは言いがたい。しかし、技術の人間中心主義的かつ道具的概念の脱構築にこそ、その新たな思想が見いだせるのではないかという予感はしている。ただし、その場合、技術が従来の人間学の枠組みをはみ出すという帰結が導き出され、その結果さらに、主体、政治、意識、責任等々の諸概念の変貌を余儀なくされるはずである。
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Report
(4 results)
Research Products
(6 results)