Project/Area Number |
08610035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Religious studies
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 正勝 京都大学, 文学研究科, 教授 (90165390)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 西田幾多郎 / 神人合一 / 絶対無 / 逆対応 / 平常底 |
Research Abstract |
まず基礎作業として、これまでに蓄積されてきた西田の宗教論、およびそれに関連する研究の成果を可能な限り収集することに努めた。またそのデータ・ベース化にも着手した。設備備品費は、当初の計画に沿ってこのために使用された。 以上の基礎作業の上に立って、『善の研究』およびその草稿から晩年の宗教論に至るまでの西田のテクストに沿って、彼の宗教論の正確な把握をめざした。その際明らかになったのは、それぞれの時期において宗教の位置づけに大きな変化がみられることである。初期の思想では「純粋経験」の論の上に立って、とくに神人合一の思想に重点が置かれ、「場所」の思想の時期では、「絶対無」との関わりで宗教の問題が理解されている。また後期の諸著作では、一方ではキェルケゴール、弁証法神学の影響を受け、また他方では仏教(禅と念仏)の思想を改めて受容し、そこから後期西田哲学の中心概念とも言うべき「逆対応」と「平常底」との概念が展開されている。 本研究では、科学技術文明が直面するさまざまな問題を前にして、西田の宗教をめぐる思索がどのな意味を持つのかという点を明らかにしたいと考えていたが、本年度の研究ではそこまで考察を進めることができなかった。今後引き続いてそのような点に重点を置いた考察を行いたいと考えている。
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