Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は教員養成教育の一環として実施される教育実習場面で実習生が体験するストレス過程を実証的に検討することにある.そのために本研究では平成8年度群馬大学教育学部で実施された2次にわたる教育実習の機会をとらえ,実習生を対象に実習ストレスに関する質問紙調査を実施した.質問紙には(1)身体的ストレス反応,(2)心理的ストレス反応,(3)ストレッサーとコーピング,(4)期待及び受容されたソーシャルサポートを測定するための尺度等が含まれており,これらのうちストレッサー/コーピング尺度とソーシャルサポート尺度は予備調査で作成された項目リストを整理しなおして新たに構成しなおしたものである.被調査者は約3週間にわたる実習の直前から直後までの期間,毎週末ごとに質問紙に回答した.過去に実施された予備調査の資料を含めて分析し,現在までのところ次のような結果を得た.(1)ストレッサー尺度とストレス反応との関連を測定時別に分析した結果,ストレッサー尺度の妥当性が確認された.(2)コーピングについては資料の欠損が多く,尺度としての妥当性が確認できなかった.今後,さらに資料を追加収集して検討する必要がある.(3)ソーシャルサポート尺度は予備調査に基づく項目リストを再検討した結果,内容と経路の両面でさらに簡約化した尺度が構成された.(4)新たに構成されたソーシャルサポート尺度によりその効果を検討した結果,期待および受容のいずれにおいても統計的に有意なストレス反応緩和効果が確認できた.教育実習ストレス過程の全体像を解明するためには,今後,資料を蓄積した上でのコーピングの効果の検討,およびソーシャルサポートの効果の時系列分析が必要である.
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