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¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
1.史料調査 長州戦争は,明治維新史研究の重要なテーマであるにもかかわらず,実証的分析はあまり進んでいない。それは戦争にかかわった長州藩,幕府,征長軍に動員された全国諸藩の史料が分散して残存しており,体系的分析が困難であったためである。従って,本研究では関係諸藩の史料はもとより,全国的な民衆の動向にかかわる史料を広く収集し,史料を相互に突き合わせることによって総合的分析を行った。調査を実施した機関および史料は次の如くである。(1)東京大学史料編纂所 幕府および全国諸藩の基本的史料 (2)京都大学附属図書館 尊攘堂関係史料 (3)山口県文書館 毛利家文庫,県庁旧幕府記録,大村益次郎関係史料ほか県内収集文書 (4)山口県立図書館 山口県内の市町村史 (5)鳥取県立博物館 鳥取藩庁文書 (6)島根県立図書館 松江藩・浜田藩関係史料ほか県内収集文書 (7)北九州市立図書館 小倉藩関係史料 2.総合的分析 史料収集した写真判をもとに,パソコンを使用して情報をデーターベース化し,大量観察による史料操作により,諸政治勢力の分析を行った。さらに学術情報センターのISIN(維新)データーベースにアクセスして活用することにより,分析の深化を計った。以上の方法により長州戦争の総合的研究を行った結果,長州藩の勝因として,全国的な民衆の長州藩を支持する動向が大きな規定を与えているという新知見を得た。また長州藩の軍制改革,幕府軍との戦闘状況,幕府軍の内実についても新たな史料を見出だせた。これらを踏まえて総合的な長州戦争の論述をする予定である。
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