Project/Area Number |
08610351
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Japanese history
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Research Institution | Kogakkan University |
Principal Investigator |
上野 秀治 皇學館大学, 文学部, 教授 (70072428)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 賞典禄 / 分与賞典禄 / 秩禄処分 / 禄税 / 領有制解体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、賞典禄支給決定までの政府の議論、賞典禄を受給した旧藩主が旧家臣にどの程度分与したか、この分与賞典禄に旧来の主従関係を復活させるような要素がなかったか、そして賞典禄が秩禄としていかに処分されたか、という点にあった。そこで本学借用香川敬三関係文書・徳川林政史研究所・国立公文書館、国立国会・上越市立高田・岡山大学附属・佐賀県立の各図書館、新庄ふるさと歴史センター・大村市立史料館・鳥取県立博物館・山口県文書館の関係史料を調査し、次の結果を得た。 賞典禄支給決定までの政府内での議論については、特に新しい事実は発見できなかったが、賞典取調べの事務を担当した香川敬三と大村藩士渡辺清が、大名に対する賞典禄をどのように決めていったかをある程度窺うことができ、また禄に漏れた人々からの嘆願も多くあったことが明らかとなった。分与賞典禄については、名古屋徳川家・新庄戸沢家・大村家の場合を分析、永世分与・終身分与・年限支給・一時金や物を下付する形態をとった。さらに全く分与しなかった大名も7家あって、大名によって分与の実態は大きく相違していることが判明した。 賞典禄の処分は家禄に合算して同様に処分されたが、禄税の賦課は家禄より1年後の明治8年支給分からであった。その際終身分与分は旧藩主の賞典禄に合算、旧藩主の家禄と合わせての禄税が課せられたため、終身分与者が多い旧藩主にとっては重税となった。主従関係の復活問題については、分与禄を旧藩主側は封建的俸禄と強く認識していたことが知られ、また政府も分与禄没収の際旧藩主、大蔵省のどちらが収禄するか、という点について、当初は旧藩主に有利に取扱ったが、間もなくこれを否定する方針に変更するなど、政府側が一貫性を欠く政策をとったことも明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
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