ドイツ教養小説研究における<作品内在解釈法>と文学社会学的方法との綜合の試み
Project/Area Number |
08610506
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
独語・独文学
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
田中 岩男 弘前大学, 人文学部, 教授 (70091618)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 市民社会 / 商品化 / イロニ- / パラドックス |
Research Abstract |
ドイツ教養小説の典型とされるゲーテの小説『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』を具体的な事例に、<作品内在解釈法>及び70年代以降主流になる文学社会学的方法による代表的な研究を再検討しながら、両者を統一する視点を提出することを試みた。 その際に明らかになってきたのは、『修業時代』における「社会性」が、これまでにほぼ解明されていた、小説の個々のモチーフの背後にある歴史的社会的な事実関係、作品の「社会的内容」の次元を超えて、さらに深いところで小説構造そのものを支え、規定しているという事実である。このような認識のもとに、文学社会学的研究による成果を踏まえながら、特に<恋>と<金>というキ-概念に着目し、そこから-<解釈法>が打ち出していた-「教養」の物語を読み直すことによって、『修業時代』の「社会性」を解明することを目指した。これによって、従来ほとんど無関係に論じられてきた二つの研究方向の綜合がある程度可能になると同時に、『修業時代』の「社会性」の背景をなす、18世紀市民社会そのものに対するゲーテの独特なアンビヴァレントな立場もまた浮かび上がってきた。 次にこのアンビヴァレンスの本質をより具体的に規定すべく、『修業時代』の「歴史性」が検討された。ここでも、歴史がパラドックスとして表れざるをえなかった、「進歩する」近代、歴史の「二面性」に対するゲーテの屈折した関係が明らかにされ、あわせて、主人公の教養理想を相対化しながら同時に歴史的社会的現実の上にも注がれる小説のイロニ-の解明を通じて、二つの研究方向の一種の綜合が果たされることになった。 このような研究成果は、とりあえず以下の論文としてまとめられた。 ○<恋>と<金>のあいだ-『修業時代』の「社会性」序説 ○パラドックスとしての歴史-『修業時代』の「歴史性」
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)