Project/Area Number |
08620012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Fundamental law
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
岡野 誠 明治大学, 法学部, 教授 (50110979)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 大唐六典 / 王国維 / 中国法制史 |
Research Abstract |
『大唐六典』は、唐代の官制に関する極めて重要な史料であるが、その行用や基本的性格についてはなお未解決な問題が少なくない。本研究では、まずこれまでわが国において未紹介であった王国維手校本『大唐六典』(台湾故宮博物院蔵)の解明に焦点を当てた。同書は北平図書館旧蔵本であり、全30巻14冊、明正徳10(1515)年、李承勲蘇州刊本である。高さ28.2cm×幅16.2cm、紺色表紙、左右双辺有界、毎半葉12行、毎行20字、注は細字双行。6種の蔵印の分析から、明の趙頤光の旧蔵書を宣統2(1910)年、王国維が入手したことが分かる。本書の価値は、碩学王国維による全巻に及ぶ校注にある。その題識を読むと、本書の訛奪を正すため、日本の近衛本との対校を行い、さらに問題があると思われる箇所は原文に当たっていることが明らかである。1921年には、宋刊残本との対校を終え、巻3の欠文数百字を補った。 筆者は上記の作業と関連して、この一年間関西大学図書館他18機関を訪れ、所蔵の『大唐六典』および関連文献を調査した。我が国では、これまで『大唐六典』に関しては、宋刊残本および明刊本(近衛本が基本)を利用することが通例であり、鈔本は存在自体極めて少ないと考えられ、また実際その利用もほとんど行われて来なかった。しかし今回の調査において、たとえば平松家旧蔵本(京都大学)、伊藤家旧蔵本(天理図書館)等の価値ある鈔本を見いだすことができた。さらに特筆すべきは、寛政6(1794)年の源信継校本(東北大学・内閣文庫)である。これは既知の『大唐六典』諸本とは全く異なる内容の鈔本である。今後さらに資料調査を継続し、できる限り多種の版本・鈔本を発掘し、それらの相互関係を追及して、当初の目的である『大唐六典』の行用やその基本的性格の解明を行いたいと考える。
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