Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1998: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1997: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1996: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
本課題研究では、経済活動を時間の経過に沿って運行する動学システムとみなす。この観点に立って,次の2つの問題を分析した。 1.効率性価格による資産価格の表現 生産関数に強い凹性を仮定すると,競争均衡では企業に利潤が生じる。この利潤は,株主(企業の所有者)に分配される。従って,利潤を受け取る権利(配当請求権)自体が取り引きされる市場が生まれる。これはポートフォリオ選択をする家計にとっては,資産市場となる。資産市場での均衡価格は,No arbitrage conditionを満たす。この結果,凸集合に関する分離定理の適用により,均衡資産価格を支持価格(効率性価格)で示すことができる。よって,市場均衡がパレートの意味での効率的であることを示した。 2.資産価格の変動要因 本課題研究では,OLG(overlapping generations model)モデルを分析の基礎においた。このモデルは本質的に動学モデルである。家計と企業に仮定される凹性によって,非線形性が動学モデルに組み込まれる。その結果,均衡資産価格の経路は必ずしも安定的ではなく,パラメータの値に依存して不規則な動きを示す。従って,均衡経路が内生的振動とカオス的な動きを示す可能性がある。
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