Project/Area Number |
08640070
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Algebra
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
上野 喜三雄 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70160190)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 量子群 / q解析学 / ガンマ関数 / 超幾何系 |
Research Abstract |
この数年来ガンマ関数の一族とも云うべき特殊関数を研究してきた。 93年度のqゼータ関数の研究に始まって、Vignerasの多重ガンマ関数とNishizawa(西澤道知)のq多重ガンマ関数の研究を経由して、今年度はBarnesの二重ガンマ関数を応用として|q|=1におけるq超幾何差分方程式の積分解を研究した。 q超幾何差分方程式の解析的な解の構造は、|q|<1(特に、0<q<1)の場合には十分深く理解されており、また、量子SU(2),量子SU(1,1)のユニタリ表現への応用も知られている。しかし、量子SL(2,R)のユニタリ表現の立場からは|q|=1(ただし、1の巾根は除外)の場合が重要である。q差分方程式は|q|<1と|q|=1では性質が全く異なり、後者の場合のq差分方程式の研究は未開の分野に等しい。 今年度の研究において、|q|=1でのq超幾何差分方程式の解析的な解として2種類の積分解を提示した。ひとつ超幾何級数に対するBarnesの積分表示の類似であり、もうひとつの積分解はEulerの積分表示の類似と見なせる(ただし、積分路は非有界)。これらの積分解は、|q|=1におけるqガンマ関数により書かれるのだが、このqガンマ関数の構成にBarnesの二重ガンマ関数が必要とされるのである。 このように積分解を構成することには成功したのだが、これらの解の線型独立性、漸近挙動、あるいは接続公式といったごく基本的なことも分からない状態でいる。これらの問題点の解明も含めて、|q|=1におけるq差分方程式の研究、さらには、量子SL(2,R)の研究を進めていきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)