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¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
当研究代表者は,主に,Spin構造の変形物であるSpin^q構造(Nagase: Spin^qstructures,J.Math.Soc.Japan,47(1995),93-119において導入)に付随するtwistor構造,断熱極限,等の研究に取り組んだ.Spin^q束のSpin^cによる商束の全空間は,通常,twisor空間と呼ばれるもの(Penroseによるものや,Salamon達による四元数ケーラー多様体のそれ,等)と類似の構造を持つことがわかる.本研究ではこれをtwistor空間と呼んでいる.特別なケースとしてPenrose等のそれらを含むが,それらが4n次元多様体上の理論なのに対して,我々のtwistor空間は一般の次元で論じられ,かつ自然にSpin^c構造を持つことがわかる.特に興味深いのは,奇数次元Spin^q多様体上のtwistor空間で,その空間のエータ不変量の断熱極限と底空間のエータ不変量との関係の研究は,物理学のいうグローバルアノマリーの研究に対応している.以上Nagase: Spin^q,twistor and Spin^c (to appear in Commun.Math.Phys.)において論じている.なおこの研究は,更に,Nagase:Twistor spaces and the adiabatic limits of Dirac operators (preprint) (ここにおいて実は上述twistor空間はSpin構造を自然に持つことが示される),Nagase:The adiabatic limits of signature operators for Spin^q manifolds(preprint)(特に指数作用素の断熱極限について研究している)へと発展している. また,奥村(分担者)は主に,複素射影空間のある種のCR-部分多様体のスカラー曲率を研究した.さらに,江頭(分担者)は主に,コンパクト多様体上のC^2級余次元1葉層構造の拡大度は典型的な増大度しか取らないこと、およびそれは葉のレベルと弾性葉の存在性によって分類されることを示した.また,コンパクト多様体上の横断的に区分滑らかな(piecewise-C^<1+bv>級の)葉層S^1-束がもつ定性的構造を明らかにし,それにより、この葉層の拡大度は典型的な増大度しか取らないこと、およびそれは葉のレベルと弾性葉の存在性によって分類されることを示した。
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