Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 公一 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (60114691)
落合 卓四郎 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (90028241)
河野 俊丈 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (80144111)
坪井 俊 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40114566)
森田 茂之 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70011674)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Research Abstract |
4次元多様体の特別なクラスとして,Lefschetzファイバー空間があり,4次元多様体,代数曲面,閉曲面の写像類群,組み合わせ群論等のいろいろな分野に関係する興味深い研究対象である.現在,力を入れているのは楕円曲面の拡張として,ファイバーの種数が2の場合である. M_2を種数2の写像類群とし,ζ_i,i=1,2,…,5を標準生成元とする. (ζ_1ζ_2ζ_3ζ_4ζ^2_5ζ_4ζ_3ζ_2ζ_1)^4=1という関係と(ζ_1ζ_2ζ_3ζ_4)^<10>=1という関係は,それぞれS^2上の種数2のLefschetzファイバー空間に対応している。これらの全空間は同相であるが、Lefschetzファイバー空間としてはC^∞同型でない.研究代表者が昨年度に発見したこの例について,これらの全空間が微分同相かどうかが興味ある問題であり,研究を続けていたが,Texas大学の若い数学者T.Fullerが博士論文提出後に,その応用として,互いに微分同相でないことを証明してしまった.自分で解けなかったのは残念であるが,これは多重ファイバーのないファイバー空間でエキゾチックな微分構造をもつ最初の例であると思われる. 研究年度の後半で,種数2のLefschetzファイバー空間の大域的モノドロミ-の研究に重要と見られる自由群上のある対応I:F_n→F_n(「量子逆元」)を見いだした.これは,逆元をとる操作に高次の非可換性を組込んだようなもので,現在,これについて研究中である.
|